「昨年の12月から歩けなくなったんだよ」
大学を出て就職した会社の同期生。彼は関東に住んでいるので会うことはない。時々、電話で話をするだけだ。
そんな彼が歩けないので自宅でゴロゴロしている。
病院に行く時はタクシーを使っている。
彼だけではない。幼馴染の友人も、脳梗塞、心疾患、がん、と三大疾病を総ナメ。障がい者認定を受けている。
後期高齢者になったからではなく、当たり前に歳を取って、身体機能の衰えを感じざるを得ない。
今年、緑内障の手術をした。
現状維持の手術なので良く見えるようにはならない。
階段の下り、夜道は見えにくいまま。
会合に参加しても参加者の顔がわからない。
それでもまだ走れる。
1時間10kmを週2回続けている。
週に2,3回は会社に行き仕事をさせてもらっている。
頼まれるままに引き受けた役職もいくつかあり、充実した老後に感謝している。
同じ年齢にもかかわらず、驚異的に元気な友人がいる。
毎朝、ジムで泳ぎ、自らを奮い立たせる格言を大声で唱え、仕事も現役。
時に、滝に打たれ、廃寺復興、限界集落問題にも取り組んでいる。
「お金は持って死ねない」と言い放ち、社会課題に取り組む人たちを支援。
財団法人を立ち上げ、彼らの話を多くの人に聞いてもらう活動もしている。
人それぞれは分かっている。
彼の真似をしようとは思わない。
それでも・・・。
このまま終わるのは寂しい気がするのは傲慢だろうか。