赤とんぼ

赤とんぼ

夕焼け、小焼けの あかとんぼ
負われてみたのは いつの日か。

山の畑の 桑の実を
小籠に摘んだは まぼろしか。

十五で姐やは 嫁に行き
お里のたよりも 絶えはてた。

夕やけ小やけの 赤とんぼ
とまっているよ 竿の先。

日本人に最も愛されている童謡は「赤とんぼ」。
NHKの調査「明日へ残す心の歌百選」(回答数66万通)で一位に選ばれたのが、「赤とんぼ」。
二位は「ふるさと」でした。

私は「ふるさと」が一位だと思っていました。
「赤とんぼ」の作詞は三木露風、作曲は山田耕筰。
二人ともクリスチャンだったという事実をみなさんご存じですか?

『赤とんぼ』は、露風が32歳のときに作られました。
露風は裕福な家に生まれましたが、露風が6歳のときに両親が離婚。
一人だけ、祖父に預けられます。中学を中退。
上京して、慶応や早稲田で学び、その後、函館の「トラピスト修道院」に招かれ文学の講師になります。

「赤とんぼ」の詩は、この修道院で見た赤トンボに幼い時代の寂しさを謳ったと言われています。
また、赤とんぼを十字架に見立てたとも言われています。
露風が夫婦で洗礼を受けたのもここトラピスト修道院でした。

著書にキリスト教の信仰に基づく詩集や、『日本カトリック教史』『修道院生活』があります。その功績が認められバチカンからキリスト教聖騎士の称号を与えられました。